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あとがき

この小説を本当に贈るべきだった人間は読んでもらう前に死なれてしまった。そのつもりはなかったが、今は死んだ誰かへの鎮魂歌の様相を呈している。ちなみに、もとの題はSome Candy Talkingだったが、そのThe Jesus and Mary Chainの曲にクンニリングスを歌ったものであるという噂が絶えないので、気持ち悪さを感じキャンディに変更した。

キャンディは同じく23歳で死んだJoy Division のボーカル、イアン・カーティスの飼っていた犬の名前である。よってこの物語を、23歳で記憶の累積に耐え切れず死んでしまった人間と、それに耐え生き延びた人間たち、そして僕をいつか助けてくれた全ての家族と友人に捧ぐ。

この小説の続編というか、川崎一郎の達した結論が『bum』という小説に描かれている。よかったら読んでみてほしい。